今まで21分野が設定されていた認定看護師の資格ですが、2020年度に新認定制度の教育が開始されたことにより、合計31分野となります。認定看護師の需要が高まっていることや医療の現場の変化が、認定制度を見直すきっかけとなりました。
新認定制度で設定される分野は合計31分野ですが、その内訳を見てみましょう。
まず、2020年度以降に教育を開始する新しい分野が10分野あります。これは、今の医療により適したものとするために旧認定制度で設定されている名称を変更したり分野を統合したもので、教育内容もその変更に応じたものになります。一例としては、クリティカルケア、在宅ケアなどがあります。
次に、旧認定制度の教育を2026年まで実施しつつも、新認定制度の教育を2020年度以降に開始するとされている分野が9分野あります。こちらは特に、既に該当する分野の認定看護師資格を取得している人にとって大事なポイントとなってきます。更新の際には新認定制度での教育を考慮した準備が必要となるためです。一例としては、緩和ケア、新生児集中ケア、そして感染管理も含まれます。
最後に、旧認定制度の教育を2026年まで実施し、条件を満たすことによって相当する新認定制度の特定分野での更新・再認定が認められる分野が12分野あります。これは最初に紹介した10分野の新設に関わっています。この12分野に該当する分野の一例として救急看護がありますが、これは新認定制度の教育では集中ケアと統合したクリティカルケアという分野に変更となりますので、旧認定制度で救急看護の認定看護師資格を取得していた場合、条件を満たせば更新・再認定時にクリティカルケアの認定看護師資格として認められるということです。逆に言えば、これから新しく認定看護師の資格取得を目指す場合にはこの12分野の資格を取得することはできず、新認定制度で相当する分野で取得することになります。
上記の分野紹介の中で、旧認定制度での分野から新認定制度での分野へ更新・再認定が行われる12分野について「条件を満たせば」と説明しましたが、その「条件」の部分にあたるのが特定行為研修です。また、新認定制度での教育内容にも必ず特定行為研修は含まれています。
特定行為研修を修了すると、医師の判断を待たずに看護師が一定の診療補助を行うことができるようになります。全ての医療行為を看護師の判断だけで行えるわけではありませんが、医師があらかじめ作成した手順書や指示に従って、決められた範囲で看護師自身の判断に基づく診療補助が認められます。これは高齢化に伴う在宅医療への需要の高まりと深い関係がありますが、もちろん医療施設や介護施設での仕事にも役立てることができます。
分野の変更と特定行為研修の必須化が、旧認定制度から新認定制度への変更点です。これから新たに認定看護師を目指す人も、既に認定看護師の資格を取得しており更新・再認定の予定がある人も、これらの変更点を踏まえて新しい教育内容を確認しておく必要があります。下記サイトにて詳しい内容を紹介していますので、参考にしてみてください。